IMCCD 高山さんからの手紙 #17

野田塾では、「未来にはばたく人材の育成をめざして」という指導理念の下、塾生の皆さんに広い視野を持っていただくために、地雷処理専門家の高山良二さんの活動を支援しています。

 今回は、新年の挨拶かたがた、カンボジアの人々の暮らしを紹介してくれました。高山さんからの手紙をWEB上でみなさまにもお伝えします。

人を思いやり、心地よい暮らしを。 

カンボジアは4月がお正月。

カンボジアのお正月のお供え物

野田塾のみなさん、明けましておめでとうございます。平成26年は皆様にとってどんな年になるのでしょうか。私はカンボジアで新年を迎えました。「チョーチュナムトマイ(新年おめでとうございます)」と言って、村人に挨拶をしますが、カンボジアは、この1月1日は、正月行事はなく普通の休日で、4月14日から16日までがお正月になります。カンボジアの皆さんは、家族や親せきと過ごすため、殆どの人が故郷に帰省し、4月14日から16日を挟んで10日~2週間は休みになります。

カンボジアは、家族や地域でのコミュニケーションが良好です。人は単独では生きられません。何らかの形で他の人にお世話になりながら、どうにか生きていけます。だからこそ、自分も他の人のために何かをしなければなりません。これは、「人生の法則」だと思います。これに反する生き方をした場合は、人から信頼を失くすなどして幸せにはなれないでしょう。もちろん、心地いい人生を歩むことも不可能になります。

地雷処理の手抜きから事故が発生

私は地雷処理という危険な活動を、もう12年もカンボジアでやっています。その間に7名の仲間を失うという悲しい事故も起こしてしまいました。突き詰めた原因は、私がやるべき指導を手抜きしてしまったからです。そんな悲しい経験の中から、人の命はもちろん、人の幸せや地域の幸せをもっともっと真剣に考え、手抜きしてはいけないということを覚えました。今自分がこうして生かされているのは、他の人から受ける恩恵があるからです。

地雷処理中の高山さん

他人への気配りができる国

デマイナー(地雷探知員)との食事風景

随分前のことですが、不発弾の回収活動をしているとき、昼ごはんになったので近くの村人の家で弁当を食べさせて貰いました。みんなが持ってきたおかずを中央に置き、みんなで食べるのですが、少ないおかずでも、必ず最後には少し余るのです。いつもそうなので、私は不思議に思って、「どうして、余るのですか」と聞きました。そしたら、「奪い合えば足らなくなりますが、分け合えば余りますよ」と、ごく当たり前のように隊員が言いました。中央に置かれたおかずを取る時、必ず少しずつ遠慮気味に取るのです。美味しいものは、他の人のご飯皿にそっと取ってあげたり、周囲の人のことを思いやりながら、考えて食べているのです。これは、カンボジアの方すべてに言えることです。つまり、「他の人への気配り」が自然にできているのです。カンボジアの人々と生活して12年、食事の時本当に癒されます。

これは、人と人との信頼関係そのもののように感じます。本当に楽しい、笑いのある食事です。皆さんもそのように楽しく過ごされている方も多いと思いますが、是非とも他の人を思いやる気持ちを優先させた生活スタイルにして頂きたいと思います。そうすれば必ず心地いい人生が送れると思います。今年は、是非それを実行してみて下さい。今年も野田塾の皆さんが健康で、夢に向かって進まれることをカンボジアの地からお祈りしています。
私の活動はHP http://www.www.imccd.org/ にも出ています。
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高山良二さんのプロフィール

1947年生まれ、愛媛県出身。
NPO法人/国際地雷処理・地域復興支援の会(IMCCD)理事長兼現地代表の地雷処理専門家。自衛官として36年間勤務し、その間、施設処理部隊(地雷等に携わる部隊)で訓練する。自衛官として「カンボジアPKO」に参加。定年退官後に「日本地雷処理を支援する会(JMAS)」に参加。2010年にJMASを退官し、その後IMCCDを設立。現在、カンボジア政府機関のCMACと地雷処理の共同事業をおこなっている。

IMCCDの高山良二さん
IMCCDのロゴ

IMCCDとは、 カンボジア政府機関のCMAC(カンボジア地雷対策センター)と共同して、住民による地雷処理活動および自立可能な地域の復興を支援し、相互の友好交流を促進することで平和構築の理念を内外に広げることを目的とした団体です。 活動を支援する野田塾には、カンボジアのタサエンコミューンで活躍する、地雷処理専門家の高山良二さんから、近況報告をいただいております。