IMCCD 高山さんからの手紙 #16

野田塾では、「未来にはばたく人材の育成をめざして」という指導理念の下、塾生の皆さんに広い視野を持っていただくために、地雷処理専門家の高山良二さんの活動を支援しています。

 今回は、村の安全意識を高めるため、新たな運動を始めようとしていることを知らせてくれました。高山さんからの手紙をWEB上でみなさまにもお伝えします。

実りある勉強をして、将来、社会に貢献してほしい。

豊かさの意味を考えよう

日本語教室の子どもたち

私の居る場所はカンボジア北西部のタイ国境に接する村で、1970年代~1990年代の内戦で敷設された地雷や不発弾が、まだ村々に残されている地域です。私は7年前からここに住んで、村人たちと地雷を除ける活動をしています。地雷を除けただけでは、村の復興にはならないので、「学校、井戸、道路などの建設支援」「ゴミをなくす運動」「日本語やパソコンを村の子供たちに教える」「日本の会社を村に建設して村人の働く場所を作る」「村の子供たちを日本に留学させる」「日本で研修させて日本の技術を学ばせる」「焼酎を作って地場産業を興す」などの活動をしています。日本の皆さんも、年間100人以上がここを訪れ、地雷除去の活動や、村の様子を見学され、村人や子供たちと交流されます。村を訪問された皆さんは、「村人が必ずニコッとして下さいます」「笑顔がいい」「日本のように物が溢れていないが、優しい心は溢れている」「みんな幸せそう」といった感想を言われます。そして、「人の幸せとは何だろう」「豊かさとは何だろう」といったことを考えられます。これは、大変大切なことで、皆さんも考えてみてください。

安全意識を高める運動が必要

この間、村でとても悲しいことがありました。3才の男の子が、井戸に落ちて亡くなってしまったのです。私は6年ほど前にこの井戸を見たとき、とても危険だなあと思い、その家の方に「子供が落ちないようにしてください」と、何度か頼みました。しかし、何の対策もしてもらえないまま、幼い命が帰らぬことになってしまいました。対策さえしておけば、男の子の命は助かったのにと、今でも無念でなりません。

事故が起きて、すぐ、各村長などと話し合い、村の安全対策について真剣に考えていくことになりました。安全に対する意識や、対応の知識が薄いので、今後は長い期間をかけて、「村の安全意識を上げる運動」をやろうと思っています。

地雷原から帰る途中

社会で役立つ人間になれ

地雷原から帰る途中

村に住んでいると、何が必要で何をしなければならないかがよくわかります。「現場の事実を理解し、現場で考える」ことをすれば、ピントが外れたりはしません。皆さんは、毎日一生懸命勉強されていると思いますが、現場で役に立つ勉強をしっかりして下さい。机上の上の考え方だけにならないように、事実や、真実としっかり向き合うことをして下さい。そうすれば、必ずその勉強は実りを得ることになると思います。野田塾で勉強し、野田塾で育った皆さんが、将来沢山の社会貢献につながることが出来ることを心から期待しています。
私の活動はHP http://www.www.imccd.org/ にも出ています。
また、直接話したい方は、このメールアドレスはスパムボットから保護されています。閲覧するにはJavaScriptを有効にする必要があります。 にメール下さい。ではまた。

高山良二さんのプロフィール

1947年生まれ、愛媛県出身。
NPO法人/国際地雷処理・地域復興支援の会(IMCCD)理事長兼現地代表の地雷処理専門家。自衛官として36年間勤務し、その間、施設処理部隊(地雷等に携わる部隊)で訓練する。自衛官として「カンボジアPKO」に参加。定年退官後に「日本地雷処理を支援する会(JMAS)」に参加。2010年にJMASを退官し、その後IMCCDを設立。現在、カンボジア政府機関のCMACと地雷処理の共同事業をおこなっている。

IMCCDの高山良二さん
IMCCDのロゴ

IMCCDとは、 カンボジア政府機関のCMAC(カンボジア地雷対策センター)と共同して、住民による地雷処理活動および自立可能な地域の復興を支援し、相互の友好交流を促進することで平和構築の理念を内外に広げることを目的とした団体です。 活動を支援する野田塾には、カンボジアのタサエンコミューンで活躍する、地雷処理専門家の高山良二さんから、近況報告をいただいております。