読書コンクール
第18回 読書コンクール

第18回 読書コンクール

第18回 読書作文コンクール 最優秀作品が決定!

 今年で18回目を迎えた小学生読書感想文コンクール。7月に野田塾各校で行われた「読書感想文書き方教室」では、今までとは少し違った読書感想文の書き方を学び、それをもとに書かれた素晴らしい作品が数多く寄せられました。
 今年度の「読書感想文書き方教室」では、本のあらすじや感想よりも、読書を通して自分自身の気持ちの変化、決意や希望を書くことを確認しました。これが今回のコンクール最優秀賞の選考基準にもなっています。
 6年生の部最優秀賞受賞、津島市のNさんは「31センチの約束」という作品から、ヘアドネーションという、髪の毛を寄付する自らの体験に重ね合わせて、自分自身を好きになることと、人にやさしくすることを同じ視線でとらえたすばらしい作品でした。
 本を読んで感じる思いは人それぞれ。その思いをまとめて、自分自身について考えるきっかけになれば本当にすばらしいと思います。今回もたくさんのご応募ありがとうございました。

4年生の部 最優秀賞 名古屋市北区 Uさん 「神様の定食屋」

 私は料理をするのは好きですが、本当は苦手です。包丁で切るのには力がいるし、量をまちがえてはいけないなど、いろいろ大変なことが多いからです。あとたまに、電子レンジを使ったときに、時間をまちがえてしまったりしているので、食べている人が本当においしく感じているのか心配になります。
 そこで私は、「神様の定食屋」という本を選び、読みました。この本を読んでわかったことは、料理に大切なことは、味がおいしいかどうかではなく、食べてくれる人への思いがあるかどうかということです。
 主人公の哲史が、「やっぱりさ、作り手にしてみれば、残さず食べてもらえるだけで…
それだけで、『ごちそうさま。』『うまかった。』ってことなんだよ。」と言っているのを読んで、作る側の人がおいしく食べてほしいと心を込めて作れば、食べる側の人にもその思いが伝わるのだなあと思いました。
 これから私は料理を作るときは、材料や味のことばかり気にするのではなく、食べてもらう人たちへ、思いを込めて作ろうと思います。料理は神様が、相手を思う気持ちを私たちに教えてくれる、大切なものなのかもしれないと感じました。

6年生の部 最優秀賞 津島市 Nさん 「31センチの約束」

 私はこの夏、2回目のヘアドネーションをしました。ヘアドネーションを始めたきっかけは、お母さんから話を聞いて、「だれかの役に立つのなら、自分もやってみよう。」と決心したからです。髪を寄付することはうれしいけれど、三年ぶりに短くなった自分の髪を鏡で見たとき、少しさみしくなりました。そんな時私は図書館で一冊の本に出会いました。
 この本は、白血病になった少女ゆいと、ゆいのために自分ができることを一生懸命がんばる同級生のサラが登場します。ヘアドネーションを通して、悩み、喜び、ケンカしながらも少しずつ成長していく二人の友情の物語です。
 自分の意思で髪を切ることと、病気で髪を失うこととは全然ちがうことだと思いました。ゆいが親友のサラに怒りや悲しみをぶつけてしまう場面が、私は読んでいて辛かったです。髪がないゆいを見て、サラは怖くなって逃げてしまいます。でもサラとゆいは、自分の心の弱さや感情に正直で、一生懸命乗り越えようとする姿がうらやましく思いました。
 この本は、読む人の心を開き、見方を変えてくれる本だと思いました。今の私は、友達や勉強のこと、自分の性格についても悩みがあります。簡単には解決できないと思いますが、自分自身と向き合って、まずは誰よりも自分を好きになりたいです。自分を大切にできる人は、人にも優しくできると思うからです。私の髪が誰かを笑顔にできていると思うと、短い髪の毛も、見るたびに少し誇らしい気持ちになります。