読書コンクール
第19回 読書コンクール

第19回 読書コンクール

第19回 読書作文コンクール 最優秀作品が決定!

 今年で十九回目を迎えた小学生読書感想文コンクール。小学四年生から六年生のみなさんから六百十二の作品が寄せられました。
 野田塾各校では七月に「読書感想文」書き方教室を行い、本のあらすじや内容よりも、自分自身の気持ちの変化、希望や決意を感想文で表現することを確認しました。これがコンクールの選考基準にもなっています。各学年の最優秀作品についての選評を以下に紹介いたします。
 四年生の部最優秀賞受賞、日進市の今井さんは「びりっかすの神さま」という作品から、何かを競い合うときに本気でやり通せば、結果が悪くても恥ずかしくないという思いを深め、その際にわき起こる色々な気持ちに寄り添う優しさにも目を向けた素晴らしい作品でした。
 五年生の部最優秀賞受賞、岡崎市の新野さんは「ぼくはうそをついた」を読んで、自分の体験を交えて、自分を守るための「うそ」と相手のことを考えてついた「うそ」を比べて、相手の気持ちを考えて行動する思いを表現した力作でした。
 六年生の部で最優秀賞を受賞した一宮市の瀧さんは、「君たちはどう生きるか」を読んで、いい人間について自らに問いかけます。いいことだけでなく苦しみや悲しみという経験も受け入れて成長したいと願い、「謝る」ことと「許す」ことを同じ眼差しでとらえた味わい深い感想文でした。
 次点で塾長賞を受賞した稲沢市の小学四年生安井さん 「青いスタートライン」の感想文も心に響く素晴らしい文章でした。
 本を読んで感じる思いは人それぞれです。その思いを文章にまとめ、自分自身について考えることは素晴らしいと思います。
今回もたくさんのご応募、本当にありがとうございました。 

4年生の部 最優秀賞 日進市 今井さん 「びりっかすの神さま」

 ぼくは、びりになりたくないと思っていました。びりははずかしいし、みじめというイメージがあるからです。しかし、「本気で走れば一等でなくてもいいじゃないか」という本の中の言葉で、びりのイメージが変わりました。
 ぼくは、水泳を小学3年生から始めました。他の同学年の人たちは、もっと早くから始めていたので、ぼくよりずっと上の級でしたが、ぼくは園児と同じクラスからのスタートでした。ぼくは、同学年の中ではびりで、みんながクロールやバタフライを練習している横で、ほ助具をつけて泳ぐのは、はずかしくてみじめでした。しかも最初の進級テストに受からず、悔しい思いもしました。そんな中、100メートル泳げる友達が、「自分も最初の進級テストは受からなかったから気にすることないよ」と声をかけてくれました。その優しさに心が救われたのを今でもはっきりと覚えています。
 本の中に出てくる「びりっかす」の正体は、そんな僕の友達と同じ存在なのではないかと思いました。競争すると、どうしても勝ち負けができてしまいますが、そこに起こる色々な気持ちに寄りそってくれる優しい存在だと思います。そして、大切なのは本気で取り組むことだということも教えてくれました。
 ぼくは、競争は悪いことだとは思いません。これからもきっとたくさんの競争があると思います。その中で、自分が本気で取り組むと決めたことは、一生懸命に取り組もうと思いました。その結果がびりでも気にしなくていいと思います。本気でやったびりは、少しもはずかしくないし、みじめでもないことをこの本を読んで知ったからです。

5年生の部 最優秀賞 岡崎市 新野さん 「ぼくはうそをついた」

 ぼくは、よくうそをつく。それはとてもつまらないうそで、やっていないことをやったと言ったり、自分のせいなのに違うよと言ったり、ささいなことばかりだ。でも、誰にも迷惑をかけていないと思っていた。でも母には、「人に信用されなくなるからやめなさい。」とよく言われる。そんなときにこの本を見つけた。「ぼくはうそをついた」なんてぼくにぴったりだと思った。
 読んでいくと、この本は、思っていた内容ではなかった。主人公のりょうたは、原爆のときのひどい様子や、おじいさんの弟のみのるさんという人が原爆で亡くなった話を聞き、興味をもって広島の原爆ドームまで行ったり、みのるさんの気持ちになってそこから家まで歩いて帰ったりする。そのあと、タヅさんという原爆で息子を亡くしたおばあさんと出会う。タヅさんは息子のショウタが亡くなったのを、受け入れられなくて今も息子を探していた。そのことを知ったりょうたは、タヅさんに「ショウタか。」と言われ、名前が似ていたので「はい。」と言ってしまい、そのままそのうそをつきとおす話だ。りょうたは少し罪悪感を持っていたが、うそをついたことでおばあさんは救われ、前に進むことができた。
 この本を読んで、うそにはついていいうそと悪いうそがあることがわかった。僕がついてきたうそは、自分を守るためのうそだが、りょうたがついたうそは、おばあさんのためについたうそだ。うそはつかないほうがいいと思うが、相手のことを考えたり、誰かのためになるうそなら、ついていいうそもあるんだと思った。僕もりょうたのように人の気持ちを考え行動できる人になりたいと思った。

6年生の部 最優秀賞 一宮市 瀧さん 「君たちはどう生きるか」

 私は今、小学校六年生で、もうすぐ中学生ということを楽しみにもしているし、その中で、ちゃんとやっていけるかなあと不安も感じています。特に、勉強、友達、部活など身の回りにいろんな変化が起こっていく中で、しっかりやっていけるかが不安です。
 そんなとき、わたしはこの、「君たちはどう生きるか」という本に出会いました。この話は中学一年生のコペル君が、ある日友達の北見君が上級生からにらまれていると聞き、北見君になにかあったときは、必ず助けると友達三人と約束しました。しかし実際北見君が上級生に絡まれたとき、コペル君以外の友達は約束を守りましたが、コペル君は動くことができませんでした。コペル君は約束を守る勇気が欠けていたことをとても後悔し、たとえ友達との関係が悪くなっても仕方ないという覚悟で、北見君たちに謝罪の手紙を書きました。そして、北見君たちはそんなコペル君を許してくれたというお話です。この話から、なにか後悔するような失敗をしてしまったときでも、自分のしたことを反省し、素直に相手に伝えられる、そんな人間がずっと一緒にいたい、私の考えるいい人間だと思いました。そしてコペル君はこの経験を通して成長し、中学2年生になりました。私はコペル君にこの経験を無駄にしないでほしいと願います。
 私はこの本を読んで、人は苦しみや悲しみからもいろんな経験をし、成長していくものだと気づかされました。私が中学生になっても、いいことばかりではないと思います。だけど、そこからも経験を得て成長できる、そんないい人間になりたいです。そして中学生という時間を楽しみ、後から振り返ったときに、悔いのない楽しい時間だったと思える中学生活にしていきたいです。

各賞を受賞されたみなさん

FM AICHI賞
  • 小5|扇台校|倉地さん
  • 小6|植田校|橋本さん
  • 小6|守山本部校|城田さん
CBCテレビ賞
  • 小4|刈谷校|畑下さん
  • 小5|黒川校|松田さん
  • 小6|蟹江校|桑原さん
中京テレビ賞
  • 小4|大府校|菅野さん
  • 小5|弥富校|岸本さん
  • 小6|藤が丘校|日下さん
中日新聞賞
  • 小4|植田校|島上さん
  • 小4|国府宮校|加見さん
  • 小5|小牧味岡校|中沼さん
テレビ愛知賞
  • 小5|春日井本部校|石上さん
  • 小6|勝川校|佐藤さん
  • 小6|尾張旭本部校|若杉さん
東海テレビ賞
  • 小4|江南校|三國さん
  • 小6|一宮校|倉嶋さん
  • 小6|西春校|大野さん
東海ラジオ賞
  • 小4|大里校|安井さん
  • 小6|平安通校|阪田さん
  • 小6|大治校|安井さん
メ~テレ賞
  • 小4|守山本部校|伊藤さん
  • 小5|西尾駅前校|森さん
  • 小6|岡崎駅前校|鈴木さん
塾長賞
  • 小4|大里校|安井さん
審査員特別賞
  • 小6|平安通校|阪田さん
チャレンジ賞
  • 小4|岩塚校|熊澤さん
  • 小5|一宮南校|松本さん
  • 小5|桜本町校|庄司さん
  • 小5|志段味校|木全さん
  • 小6|津島校|檜垣さん
  • 小6|千種校|萩原さん
  • 小6|美和校|梅田さん
  • 小6|三好丘|柴田さん
  • 小6|清須校|林さん
  • 小6|小田井校|丹羽さん