高山さんからの手紙
IMCCD 高山さんからの手紙 #040

IMCCD 高山さんからの手紙 #040

国際社会情勢にも目を向け、日本や世界についてもっと知ろう

カンボジアで20年間続けてきた地雷処理・不発弾処理の活動。

 みなさん、明けましておめでとうございます。新しい年をお健やかにお迎えされたこととお喜び申し上げます。カンボジアのお正月は4月14日~16日。一年で一番暑い時期ですが、人々は故郷に帰って家族と過ごすことを楽しみにしています。
 私は2002年5月、陸上自衛隊を定年退官したと同時にカンボジアにやって来ました。自衛官時代にカンボジアPKOに参加したのですが、「やり残したことがある」ような心境が消え去らず、再びカンボジアへ渡ったのです。最初はカンボジアのベトナム国境付近で内戦時に残された不発弾の撤去作業を、2006年からは内戦最後の激戦地と言われたタイ国境付近の地域で地雷処理、不発弾処理の活動を行いました。現在は、認定NPO法人国際地雷処理・地域復興支援の会(IMCCD)がカンボジア政府の地雷、不発弾処理組織であるカンボジア地雷対策センター(CMAC)と共同して撤去作業を行っていますが、未だに地雷や不発弾はなくなりません。それでも怪我をしたり亡くなったりする事故は、随分と少なくなってきました。安心して農作業ができるようにもなり、今ではその農作業をいかしてお酒類、ドライフルーツ類、アロマオイル類、漢方などをつくり、地場産業の発展をめざした活動を行っています。世界に誇れるような製品を地雷原の村から産出し、最終的には私たちの手助けなくカンボジアの人々だけで運営することで、真の自立復興ができるようになるのが目標です。 

日本と国際社会の現状についても理解を深めてほしい。

 2020年から世界中でコロナ禍が続いていますが、これからは国際社会情勢における日本の立場なども真剣に考えていかなくてはなりません。カンボジアから日本を見ていると、日本人が日本のことをあまりにも知らなさすぎると感じるときもあります。机上にとどまらない学びの中で、日本や世界について深く知り、学びを深めていってほしいと思います。