読書コンクール
第15回 読書コンクール

第15回 読書コンクール

第15回 読書コンクール 最優秀作品が決定!

 読書感想文コンクールも今年で15回を迎えました。今年度は一般にも作品を募集し、協賛企業を募り、コンクールの活性化を図りました。
一次審査を通過した作品は、昨年度同様どの学年も力作ぞろいで選考に苦労しました。

最優秀賞の選考基準は、以下の3点をなどを総合的に判断し決定しました。
   ①あらすじ主体ではなく、作品の中身について書かれているか。
   ②作品を通じて、学んだこと・感じたことが自分の言葉で表現されているか。
   ③これからの人生についての教訓などが書かれているか。

以下に、各学年の最優秀作品をご紹介します。

4年生の部 最優秀賞 稲沢市 Kさん 「牛をつないだ椿の木」

海蔵さんの心はいかばかりだったのでしょう。
私が読み終えた後、もう一度戻った場面は、海蔵さんが戦いに行く前に、海蔵さんの想いがつまった井戸の新しい清水をうまそうに飲めたところです。ただうまいだけではない、ただ、うれしいだけではない、そしてほこらしくもある水は海蔵さんしかわからないうまさだったのだろうと思いました。
 海蔵さんはしんたのむねの人々ののどをうるおす人の助けになることをしたかった理由を私は考えました。人からほめられたいからでしょうか。いいえ、海蔵さんは、人に言いふらすことをしませんでした。自分のためでしょうか。いいえ、自分だけのためではありません。きっとただただ、井戸をつくれば人のためになるという海蔵さんの心のおくからのりっぱな心があふれてきたからなのだと思います。
ふつうは、利助さんのように、人のために自分の持つお金を出すことはなかなかできないと思います。海蔵さんのりっぱな心は、周りもよい心にしました。
これからの海蔵さんはどうなってしまうのだろうとどきどきしました。海蔵さんは自分の命の心配より井戸を作ることができ、人のためになることを残せた満足した心にみたされていると感じおどろきました。海蔵さんは井戸をじまんしたい、だれかにみとめてもらいたい心ももっていたのではと感じました。私は海蔵さんが生きた時代をゆるしたくありません。人の良い心を良い心のまま生きさせない、そんな時代はあってはならないと思うからです。正しいことを正しいとみとめられる時代を作りあげていくことが井戸を作ることをした海蔵さんが後世の私たちに残してくれた思いなのかなと思いました。

5年生の部 最優秀賞 北名古屋市 Kさん 「十歳のきみへ」

 この本は、百五歳まで長生きした医師の日野原(ひのはら)重明(しげあき)さんが語る、命の大切さや感謝の気持ち、人間のすごさについてのお話です。その中でも、私は「感謝の気持ち」と「いのちの大切さ」に胸を打たれました。重明さんは、生まれてきたことに「感謝の気持ち」を忘れておらず、常に「感謝」という言葉が心の中にあります。
 私は、バスケットボールを習っています。そのチームは、「気付き・気配り・判断・行動」をモットーにコーチが指導してくれます。コーチはいつも、「感謝の気持ちを忘れずに行動しなさい。」と言います。今、バスケットができる環境に感謝、バスケットを習わせてくれるお父さん、お母さんに感謝、辛いとき、悲しいときに、声をかけて励ましてくれる仲間に感謝、私は「感謝」という言葉が大好きです。でも、つい忘れてしまうことがあります。今ある環境を当たり前のように思って行動してしまうことがあります。なので、この本の内容すべてがとても心に響きました。重明さんは、生まれてきたことに感謝の気持ちを忘れていません。また、自分勝手ではなく、相手のことを優先して考えています。重明さんは「いいときも、悪いときも、家族はいっしょにいる。そこが、家族のすごいところです。」と言います。私は、そんな重明さんの言葉を聞いて、本当に家族の存在はすごいなあ、と思いました。私は、家族がいないと生きていけないと思います。家族がいるからおいしいものを食べることができ、自分が学校に行くこともできると思います。
 私も重明さんのように、今よりももっと、家族に対して感謝の気持ちを持とうと思います。そして、今ここで生きていることに常に感謝の気持ちを持ち、一度きりの人生を、悔いのないよう満足できるような人生にしていきたいと思います。

6年生の部 最優秀賞 一宮市 Sさん 「平和な世の中を願って」

 歴史の学習をするようになって、なぜ人々は争い、戦争が起きてしまったのだろうと考えるようになった。そして、どうすれば平和な世の中を作ることができるかに関心を持ったのが、この本を読もうと思ったきっかけだ。一発の原爆によって、当たり前にあった日常が一瞬でこわされたことにショックを受けた。だれもが何が起こったのかわからない状態だったと思う。原爆でたくさんの人が死んでしまったけれど、さだこは奇跡的に生き残ることができて、本当に良かったと思う。
 戦争が終わって十年も経ったのに、原爆症を発症したとき、二度目のショックを受けた。さだこは、早く退院して、また友達と遊んだり走り回ったりしたいと思っていたと思う。幸い治療をがんばっていたことや苦しくても折り鶴を一生懸命折り続ける姿が印象的だった。ぼくだったらすぐにやめてしまうがさだこは違った。きっと病気を治したいという強い気持ちで病気と闘っていたのだろう。それなのに、罪もないさだこが死んでしまって本当に悲しかった。ぼくと同じ年だから夢や希望でいっぱいのころだと思うと、戦争さえなければと悔しくなった。
「原爆の子の像」が作られたのは、平和を願う人々の気持ちが大きかったからだと思う。「二度と戦争をしてはいけない」、また、「戦争によって悲しい思いをした人がいたことを忘れてはいけない」ということを、この像を見た人に感じてほしいからだと思う。
 ぼくはこの本を読んで、戦争の恐ろしさと平和を願う人々の強い気持ちを知った。そして、世界中の国が協力して、平和な世の中を作ろうという気持ちを持つことが、何よりも大切だと考えるようになった。これから先、世界中の人々が、笑顔で幸せに暮らせるためにも、一人一人が戦争のない平和な世の中を願い、実現していくことが大切だと思った。