読書コンクール
第17回 読書コンクール

第17回 読書コンクール

第17回 読書作文コンクール 最優秀作品が決定!

 読書感想文コンクールも今年で17回目を迎えました。今年は8月後半からリモート授業になり、作品を提出することが難しかったかもしれません。しかし、それでも多くの素晴らしい作品に出会うことができました。
 最優秀賞の選考基準は、「はじめ(本を読んだきっかけ)・なか(心が動いた場面と感想)・おわり(本を読む前と後でどう成長し、これからどのように生かしていきたいか)」が書かれているかを総合的に判断し、決定しました。
 6年生で最優秀賞を受賞した大府市のOさんは、「モモ」という作品から、家族や友人と過ごすおだやかな時間の大切さを学んでいました。Oさんが作品から受け取ったメッセージは、審査員の心にも響くものでした。

 今回の読書感想文コンクールをきっかけに読書を通して感じたこと、考えたことをこれからの人生にも生かしてもらえれば幸いです。

4年生の部 最優秀賞 安城市 Kさん 「ふたりはいっしょ」

 わたしは「ふたりはいっしょ」という本を読みました。わたしがこの本を選んだ理由は絵がとてもかわいくて、作者を知っていたからです。
 この本の主人公は、かえるくんとがまくんというカエルの男の子です。がまくんはある朝、その日の予定を紙に書きました。そしてその予定が終わると、線を引いて消します。予定表のとおり、がまくんはかえるくんと遊びます。しかしその途中で、予定表が風にとばされてしまいます。
 わたしがこの本を読んで一番心に残ったことは、予定表が飛んでいってしまったとき、かえるくんが予定表を追いかけていったところです。がまくんが「予定表をおっかけるなんて予定表に書かなかったことなんだもの」と言って追いかけてなかったのに、かえるくんは、いくつものおかをこえ、ぬま地をこえて、走りました。きっとかえるくんは、がまくんが大切な友達がったから、がまくんのために、がんばったんだなあと、とても強く感じました。
 わたしも、かえるくんと同じように大事な友達がいました。でもその子は急に国に帰ってしまって悲しかったけど、わたしはその友達のために何かやったことはないのか考えました。考えても考えても答えはでてきませんでした。
 結局、予定表は見つかりませんでしたが、かえるくんは、ずっとがまくんの横にすわっていました。これはたぶん本当の友達じゃないとできないことだとわたしは思いました。わたしもこんなことができる友達になりたいと思いました。今度、日本にきたら、その友達といっしょに遊ぶ約束をしています。楽しみです。

5年生の部 最優秀賞 刈谷市 Hさん 「空飛ぶ車いす」

 もし空飛ぶ車いすがあったら、宇宙まではばたいていきたい。そんな素敵な乗り物があったら、どんなことをしてみたいですか。
 この本は、ものづくりが得意な日本の工業高校生たちによって修理された車いすを通して世界中の困っている人との心温まる交流を描いた実話です。
 私が一番心に残った場面は、チイちゃんという女の子のお話です。チイちゃんは病気のせいで体を思うように動かせません。でも、チイちゃんは学校に行きたいという思いが強くありました。そんなチイちゃんの願いを叶えたのが、日本からおくられた車いすです。最高のプレゼントをもらったチイちゃんの気持ちを想像するだけで、私の心もぽかぽかと温かくなりました。
 この本には、たくさんの登場人物がいます。自分のためだけではなく、顔も知らない誰かのためにボランティア活動をしています。車いすは世界中の国に届けられるだけではなく、こわれた車いすを現地に行って修理していました。想像するだけでも大変なのに、活動できることに感謝していました。私が体育の授業でけがをしたとき、友達が一緒に保健室に行ってくれたり、荷物を玄関まで運んだりしてくれました。みんないやな顔をせず、「大丈夫?」と、やさしく声をかけてくれたことがとてもうれしくて今度は友達が困っていたら「助けになりたい。」と思ったことを思い出しました。
 この本を通じて、ボランティア活動は言葉が通じなくてもお互いの心をぽかぽかにできることを学びました。私は今、児童役員をしています。誰かのために行動することは勇気がいります。でも、多くの人の心に温かさを届けられるように、私も全力で取り組みます。

6年生の部 最優秀賞 大府市 Oさん 「モモ」

 私は、両親に「早く、時間がないよ」とよく言われます。この本を選んだきっかけは、モモの表紙に「時間どろぼう」と書いてあり、時間について身近に思っていたので読んでみたいと思いました。バタバタするのではなくてゆっくり過ごせるように時間について考えてみたいと思いました。
 この物語は、人は「よい暮らし」のためと信じて、必死で時間を節約し、追いたてられるようにせかせかと生きています。子どもたちも遊びをうばわれて「将来のためになる」と勉強させられます。こうして節約された時間を時間どろぼうが貯ちく銀行にためこんだので、人々は「生きること」の意味をうばわれて心の中は貧しくなっていきます。
 モモが、人の話をじっと聞いてあげると相手は、自分自身を取りもどすことができる不思議な能力をもっていました。私もモモみたいに人の話を聞いてあげると相手が元気になるような人になりたいと思いました。
 私が一番心に残った言葉は、マイスター・ホラが言った「人間には時間を感じとるために心がある。」「心が時間を感じとれないなら、その時間がないのと同じだ。」です。私も習い事などで忙しいときや、逆にテレビを見てダラダラと過ごしてしまったときも時間があっという間に過ぎてしまいます。でも家族とキャンプや旅行へ行ったり一人でゆっくり読書したり、友達と遊んだりしたときは、心がおだやかに過ごせて、たくさん色々なことをかんじることができます。同じ時間を過ごすのでも、何かを感じとって過ごすこともとても大切なんだと思いました。
 私はこの物語を読んでやらないといけないことは早くすませて、心がおだやかに過ごせるように時間を有意義に使いたいと思うようになりました。